２２年度予算が成立した喜びもつかの間、民主党に衝撃が走った。 　支持率低下が止まらない鳩山政権に、追い打ちをかけるような閣僚のスキャンダルが 発覚したのだ。２５日発売の週刊新潮が報じている。中井洽国家公安委員長が、３０歳 年下の女性とのデートを繰り返し、深夜にこの女性を赤坂の議員宿舎に呼び込んでいた というものだ。宿舎のカードキーを貸与していた疑いまで持たれている。 　予算成立を機に反転攻勢をかけようという矢先のスキャンダルだけに、鳩山政権にと っては大きな痛手である。政治評論家の小林吉弥氏がこう強調する。 「痛烈なイメージダウンです。政権の岐路といってもいい。鳩山首相は指導力を発揮 し、毅然とした態度で中井氏を更迭すべきです」 　ここで鳩山が対応を誤れば、内閣支持率は間違いなく３割を割り込んでしまう。有権 者の支持を取り戻すには、中井問題を逆手にとって内閣改造で出直すしかない。ピンチ をチャンスに変えるのだ。 「本来なら通常国会が終わってからということでしょうが、そんな悠長なことは言って いられない。予算成立というのは内閣改造のひとつのタイミングです」（政治評論家・ 浅川博忠氏） 　厄介なのは、普天間基地移設問題の政府案決定、対米交渉などがこれから本格化する ことだ。「大幅な改造には手が付けにくい。やるとしても小幅でしょう」（浅川博忠氏 ＝前出）という状況なのである。 　しかし、政権発足からすでに半年。内閣に閉塞感が漂う中で、人事一新は避けられな い。 「当面は中井だけを交代させる。５月に普天間問題が一段落した段階で、なお支持率が 低迷しているようであれば、平野官房長官や北沢防衛相など評判の芳しくない大臣を代 えればいいのです」（小林吉弥氏＝前出） (続く) （日刊ゲンダイ2010年3月25日掲載）